休憩室

人間を休んでいる

今年聴いた良かったアルバム

 こんにちは。年末、振り返るべきことはたくさんあります。

そこには過ぎ去りし日々の死体が、、、

 

今年は70枚くらい聴いた

 はい、野暮ですが前回のエントリ通り、人間は量を自慢するために量を消化しても何にもなりません(第一年間70枚とか到底自慢になる枚数ではない)。これくらい聴いてる人の「良かった」だと思ってもらえればいいです。

 

 去年出費がえぐいことになったので、Apple Musicで抑えようとしたのですが、ダメでした。Apple Musicに無いアルバムを買っちゃうんですね。人間の性があり、業があります。

 

 気になるのがあったら、例によって年代バラバラですが……お近くのタワレコHMV、中古CD屋、林檎音楽などを利用する手があります。聴いていきましょう。それでは、ガンガン行きます。

 

ジャズ

 

Alcanza

Alcanza

 

 上半期にリリースされ、今年の個人的ベストアルバムと化した、キューバ人ジャズピアニストFabian Almazanの『Alcanza』。今後ジャズにおいてはラテンアメリカの流れが(ますます強く)くると思っているのですが、来年もその筆頭だと思われます。弦楽四重奏団とジャズのオーソドックスな楽器が対等に機能しており、楽曲も交響曲を思わせる配置。ベースのRinda Oh、ドラムのColy Henryが野太く力強すぎるため、弦楽四重奏団の音色までもが異様なエッジを持つことになります。相当クラシックを意識していると思います。本人の好きな作曲家にショスタコーヴィチがいたので、わかりを得ました。胃もたれするほど濃いサウンドなので、覚悟完了してから聴きましょう。

 

Introducing Tierney Sutton

Introducing Tierney Sutton

 

 今をときめく謎ジャズシンガー、Gretchen Parlatoを教えたりしているTierney Sutton先生の アルバム。王道を王道通りやり、且つ楽しんでやることで、「教科書的」を超える演奏が出来るのだなとひしひし伝わってきます。個人的には『High Wire』がぶち上がるので好き。そういえば今年、絶版してて超高額で取引されてたGretchen Parlatoの自費リリースアルバム、『Gretchen Parlato』が再版され、反射で買ってしまいました。業です。

 

モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのフィル・ウッズとヨーロピアン・リズム・マシーン

モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのフィル・ウッズとヨーロピアン・リズム・マシーン

 

 Phil Woodsに関しては、フリージャズまで出来るCharlie Parkerという感じで控え目に言って最強なので、アルバムを目にしたら買わなければならない。日本国憲法にもそう書いてある。 とにかく「倍音?なにそれ?デシベルあるの?」という平面的音色かつ尋常じゃない轟音で吹き続けるので、リズム隊のテンションがおかしくなっている。観客もおかしくなっており、無理やりアンコールで舞台袖からPhil Woodsを引き摺り出している感がある。

 

En Subida

En Subida

 

 王道のハード・バップ、スタジオ録音だと良く聴いた、Quinteto Urbanoの『En Subida』。アルゼンチンのHigh-Five Quintetともいうべきシャレ乙さと熱さを兼ね備えている。思ったほどラテンのクセが強くないので、聴きやすいと取るか、物足りないと取るか。1曲目『Travesia Urbana』は速度がでている。

 

 

Gravity Zero

Gravity Zero

 

  フランスからの刺客、鍵盤奏者のLaurent Coulondre『Gravity Zero』は、ドラマー4人と入れ替わり立ち替わりデュオをやるという馬鹿が考えそうなことを実際にやってみたアルバム。ドラマー4人が同時に演奏している曲もあり、控え目に言ってジャングル。Mehlianaの『Taming the Dragon』といい、ジャズピアニストとドラマーのデュオは可能性を極限まで広げてくれることを教えてくれる。『Nitro』は題名通りテクニックが爆発している。しかし最近のドラマーはみんな上手すぎて怖い。どうなってんだ。

 

Painter

Painter

 

  「ドラムはメロディー楽器」を体現するAri Hoenigですが、しょっぱなの『I Mean You』でおかしなスピードでテーマをたたき出します。付いていく周りがすごい。普通に叩いている時も繊細なシンバルの音色コントロール、異次元なブラシワークなどが曲全体の雰囲気を支えていて、ドラムの革命手の名にふさわしい実力があることがありありとわかります。繰り返しになりますが、ドラムはメロディー楽器です。

 

 

Apex

Apex

 

  「繰り出される旋律が蛇使いの笛に最も近いサックスプレイヤーランキング」殿堂入りのRudresh Mahanthappaですが、超傑作『Bird Calls』に比べるとかなり理性を保っており、おそらくJack DeJonetteやJason Moranによる丁寧な空間作りが貢献しています(Matt Mitchellとかブレーキがぶっこわれてるからね、仕方ないね)。理性を保っているからダメかといわれるとそうでもなく、『Who?』のBunky Greenとのサックス2人によるイントロからの流れ聴いていると、こいつらには何が視えているのか、という気持ちになります。

 

in Tokyo

in Tokyo

 

  ブラジルの万能人、Antonio Loureiroは今回ピアノとボーカルをやっている。他のプレイヤーは日本人なのだが、世界観の共有がしっかりされているのか全く日本感なく完全に現代ラテン音楽として聞こえる。とにかくピアノの輪郭がはっきりしており、ボーカルと右手がユニゾンすることで強制的にブチ上がるのが卑怯。『Lindeza』とか特にヤバい。

 

Voyager: Live By Night

Voyager: Live By Night

 

  現代ジャズ・ドラマーの最高峰Eric Harlandですが、ドラムはJohn Coltrane(サックス)から学んだとか頭がおかしいことを言うだけあって延々と演奏を過熱させます。メンバーも当世最強といっていいメンツであり、特に当時23歳のギター、Julian Lageの反応スピードとメロディー構成力がすでにおかしい。1曲目『Treachery』で完全に優勝する。

 

オープン・ブック [日本語帯・解説付] [輸入CD]

オープン・ブック [日本語帯・解説付] [輸入CD]

 

  現代において、ジャズへのクラシカルなアプローチをとるジャズピアニストの中では間違いなく最高のFred Herschがまたもや正解を叩き出した。アレキサンドル・スクリャービンの様な音模様が即興で完全に構成されており、そのまま写譜して知らない人に見せたら、即興音楽だとは気付かれないのではないか。1曲目『Orb』を聴くと魂が肉体ごと浄化され、エントリが書けなくなる。

 

Connection

Connection

 

  Don Ellisは買うことが憲法やら聖書やら、というレベルでは無く、気づいたらいつの間にか手元にあることになっている、という感じで、つまりどうしようもありません。病気です。常に最高。

Rock,Pop

 詳しくないジャンルを語る時、まとめておくことによって流血を回避することが出来る(出来ない)。

 

SUPERFINE

SUPERFINE

 

  冨田ラボが「最近Mark Guilianaとか聴く」、とか言っている記事を見て「!?」という気持ちになりましたが、『冨田魚店』の間奏を聴いてなるほどをしました。1曲目の『Radio体操ガール』を聴いて「YONCE……こんなに虐められて……」という、「すげえ!」よりも先に「作曲者やりすぎでは?」の気持ちが来ました。

 

Dirty Projectors

Dirty Projectors

 

  このアルバムで初めてDirty Projectorsを知ったのですが、アレンジがとにかく自由すぎて感動しました。何曲かからそれぞれ別のアイデアを引っ張ってきて、奇跡的なセンスでバランス良く調合する感じ。Flying Lotusを初めて聴いた時の感覚に近い。ボーカルのデイブ・ロングストレスとかいう人生がつらそうな苗字のリーダーですが、ずっと一緒にバンドやってきたシンセの人と別れてショックすぎ、立ち直り、これを出したそうです。強く、いきていくこと、だいじだ、、、

 

世界はここにしかないって上手に言って

世界はここにしかないって上手に言って

 

  とにかく『SUNNYSIDE』だけでも聴く価値がある。Aikoが現代ジャズ沼にぶち込まれたような様相を呈しており、『南へ』よりはかなりPopになったと思う。シティ・ポップといわれる人々がいるけれども、彼らはポップ→クラブ系グルーヴであり、ものんくるはジャズ→ポップなので全く逆だと思う。ジャズ編で出さなかったのはそういうことです。もっといろんな層に売れて欲しい。

 

COLORS [CD]

COLORS [CD]

 

  恥ずかしながら初Beckだったのだが、「こんなファンキーなコード進行でこんなにポップに!?」と、困惑しながらぶち上がる変な体験をしてしまった。『Dreams』の冒頭とか今すぐサッカー日本代表の応援歌にした方がいい。かなりのトラックを積んでいるとは思うが耳にはシンプルに集積されたすばらしみが届くので、「これが売れる音楽というヤツか……」という思いを新たにした。

その他

 

白鳥おどり 白鳥の拝殿踊り 石徹白民踊

白鳥おどり 白鳥の拝殿踊り 石徹白民踊

 

  衝動的に購入した岐阜の民謡集ですが、なんといっても各CDの最後についている謎リミックスから、おどろおどろしいトリップ感が発生していてそれ目当てだけでもかなりいいと思います。日本にはグルーヴが無いのか。否、ここにある。

 

DIAMONDS/ICE [12 inch Analog]

DIAMONDS/ICE [12 inch Analog]

 

  当方、海外のアーティストに関してほとんど歌詞を無視し、サウンドのみを重視してしまう傾向にあるので、ヒップホップのリックの良さなどについて一切語ることが出来ない(かなしいけど仕方ないね)。それでもやはりJ Dillaのトラックから発生する気持ちいいヨレを感じることはできるし、現在ヒップホップ発のビートがどんどん他ジャンルの土台を攻めていっているのも腑に落ちる。今年は他にもNxworriesの『Yes Lawd!』や、A Tribe Called Questの『We Got It From Here... Thank You 4 Your Service』もよく聴いた。歌詞のわかりが得られるようになりたい。

 

Curious

Curious

 

  エレクトロニカには無限の可能性が残されている。それは科学技術であるからだ。人類が滅びない限りこのジャンルには工夫の余地がある。ドラムマシンの音色が若干時代を感じさせるといえばそうだが、それでも総体として出てくる音は時代を超越するものがある。こういうものを聴くために、生きている。

 

ライヒ:管楽、鍵盤と弦楽のための変奏曲

ライヒ:管楽、鍵盤と弦楽のための変奏曲

 

  Steve Reichは血液の様な音楽をしているので、定期的に聴くことによって生命を維持することが出来ます。ナウシカ成分を心なしか感じることが出来る。てか久石譲ミニマル・ミュージックのアルバム出してるしそりゃそうか。

おわり

今年は、Thundercat『Drunk』、Kurt Rosenwinkel『Caipi』、Kendrick Lamar『DAMN.』など、かなりの話題作が登場して音楽シーンが全体的に盛り上がってたような記憶があります。宇多田ヒカルも結構出してましたね。音楽は良いということがわかる一年でした。2018年は音楽が良いということがわかる一年にしたいとおもいます。では。